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国土交通省NETIS登録
登録番号(TH-080014-A)
地方独自の自然風景や地域の景観は、全ての動植物の営みや、永い自然環境の蓄積により構築されてきた文化的集大成です。景観緑三法も施工され、環境問題も含めた地方の風景や地域の景観のありようが真剣に問われ始めています。特に公共に関連する近年の事業では、限られた予算の中、使用資材や工法、更に施工後の評価など総合的な責任が問われるものと思われます。
従来の洋芝牧草種を中心とした法面吹付緑化工法は、初期の急速緑化に重きを置く反面、その構成種の単純性から永い期間植生遷移が進まず、地域自然度の低いかつ繁殖力の旺盛な外来種や帰化植物主体の緑化群落景観になりつつあります。この事は国定公園や自然公園など多くの観光資源を有する秋田県の個性ある自然景観を脅かす要因となります。
国は、日本固有の生態系を保護するために平成17年6月に外来生物法の規制強化をしました。これにより、今後外来植物の取り扱いも規制強化が進むものと思われます。
NDS工法は、歴史的にその地方で自生し、その地方の自然風景を構成してきた地域自生種で緑化する吹付工法です。
NDS工法は埋土種子が多様で豊富な現地表層土の他に、さらに保肥力、透水性、保水性を高めるために伐根材や枝葉を有効利用したチップ堆肥、及び基盤材の連結強化と侵食防止を図るために樹皮繊維をブレンドした製品です。
NDS工法は、このように地域の副産物を主体にした地産地消の緑化工法です。
表土は在来種の種子を豊富に含まれていることからシードバンクと呼ばれています。これらの中には何等かの条件により発芽しないまま長期間眠っている種子があります。これらは環境変化に伴い、新たに発芽することが確認されています。古くから地域に根差した郷土種ですから生物多様性に悪影響を及ぼすことはありません。
樹皮繊維は利用方法が限られているためなかなか再利用が進んでいないのが実情です。本工法ではひび割れ防止を図るため、樹皮繊維を有効利用しています。
また、根や枝葉などは処分方法に苦慮していますが、これをチップ化し堆肥化したものを養分補給材及び保水性透水性向上のため使用しています。
無機質固化促進剤を適正に配合したもので、強アルカリ性を回避するとともに、固化強度及び耐久性の問題をあわせて解決した固化剤(ハードロック)を使用することで長期の法面安定が得られます。
したがって、周辺からの飛来種子による発芽を待つことができます。(待受型緑化)
表従来から接合剤として使用されてきた高分子系化合物は土壌中で分解されやすく、また降雨によって容易に再吸収し、土壌の保持力が緩み、往々にして吹付け面の崩落を招いてきました。また最近開発されたセメント系固化剤は固化能力に優れている反面、アルカリ性が強く、緑化植物の発芽~植生が著しく阻害される問題がありました。ハードロックは2種類の無機質固化剤を主体に数種類の無機質固化促進剤を適正に配合したもので、強アルカリ性を回避するとともに、固化強度及び耐久性の問題をあわせて解決した新しいリサイクル製品です。
従来ハードロックが吸水して水和反応が行われ、エトリンガイト等の水和物を生成します。これが繊維状に絡み合うような形態で生成・伸長します(鎖状結束)。つまり、土壌粒子を内包する形で、また土壌粒子そのものがハードロックの各種成分に微妙に反応しながら水和物の生成に関わり「団粒化」します。さらに、この鎖状結束が表土に浸透し基盤材と地山の一体化・長期安定が図られ、恒久的な緑化を可能にします。
施工年月 | 発注者 | 工事名 | 場所 | 施工内容 |
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2006年3月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 予防治山事業 | 秋田県男鹿市 | t=3cm 116m2 |
2006年7月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 災害関連緊急治山事業 第0N030号 | 秋田県男鹿市 | t=1cm 548m2 t=5cm 816m2 |
2006年9月 | 秋田県 仙北地域振興局 | 災害関連緊急治山事業 | 秋田県大仙市 | |
2006年10月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 地域防災対策総合治山事業第0H011号 | 秋田県男鹿市 | t=1cm 68m2 t=3cm 954m2 |
2006年12月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 予防治山事業 | 秋田県男鹿市 | t=1cm 650m2 |
2007年1月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 災害関連緊急治山事業 第0N010号 | 秋田県男鹿市 | t=3cm 325m2 t=5cm 249m2 |
2007年3月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 椿 予防治山事業18-0B02号 | 秋田県男鹿市 | t=1cm 1260m2 |
2007年9月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 地域防災対策総合治山事業第0H012号 | 秋田県男鹿市 | t=1cm 19m2 t=3cm 2686m2 |
2007年11月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 復旧治山事業19-0A011号 | 秋田県男鹿市 | t=3cm 383m2 |
2007年11月 | 国土交通省東北地方整備局 | 成瀬ダム上流迂回路改良工事 | 秋田県東成瀬村 | t=3cm 1340m2 |
2007年11月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 予防治山事業19-0B040号 | 秋田県男鹿市 | t=4cm 604m2 |
2008年1月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 復旧治山事業19-0A010号 | 秋田県男鹿市 | t=1cm 150m2 t=3cm 872m2 |
2008年3月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 地方道路交付金工事19-FI64-50 | 秋田県男鹿市 | t=3cm 800m2 |
2008年10月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 地域防災対策総合治山事業第0H01号 | 秋田県男鹿市 | t=3cm 1800m2 |
2008年11月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 椿 予防治山事業RD1102A002号 | 秋田県男鹿市 | t=1cm 371m2 t=4cm 380m2 |
2009年7月 | 男鹿市教育委員会 | 脇本城址災害復旧工事 | 秋田県男鹿市 | t=3cm 150m2 |
2009年11月 | 秋田県 山本地域振興局 | ファレストコミュニティ総合整備事業RC1202A709 | 秋田県藤里町 | t=3cm 4600m2 |
2009年11月 | 秋田県 山本地域振興局 | ファレストコミュニティ総合整備事業00708 | 秋田県藤里町 | t=3cm 400m2 |
2010年2月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 椿 予防治山事業21-RD1102A003 | 秋田県男鹿市 | t=1cm 400m2 |
2010年3月 | 秋田県 秋田地域振興局 | 県単 地滑り対策工事21-L452-10 | 秋田県男鹿市 | t=3cm 540m2 |
2010年5月 | 秋田県 山本地域振興局 | ファレストコミュニティ総合整備事業RC1202A702 | 秋田県藤里町 | t=3cm 4680m2 t=0.5cm 2590m2 |
2010年5月 | 秋田県 山本地域振興局 | ファレストコミュニティ総合整備事業RC1202A703 | 秋田県藤里町 | t=3cm 5630m2 t=0.5cm 2994m2 |
2010年5月 | 秋田県 山本地域振興局 | ファレストコミュニティ総合整備事業RC1202A704 | 秋田県藤里町 | t=3cm 5990m2 t=0.5cm 1430m2 |
2010年5月 | 秋田県 山本地域振興局 | ファレストコミュニティ総合整備事業RC1202A710 | 秋田県藤里町 | t=3cm 2660m2 t=0.5cm 3100m2 |
2010年9月 | 秋田県 山本地域振興局 | ファレストコミュニティ総合整備事業RC1202A709 | 秋田県藤里町 | t=3cm 7300m2 t=0.5cm 3000m2 |
2010年10月 | 東北森林管理局 | 白雪川治山工事 | 秋田県にかほ市 | t=3cm 930m2 |
2011年7月 | 秋田県 山本地域振興局 | 予防治山事業RC1113A012 | 秋田県能代市 | t=3cm 1860m2 |
2011年8月 | 秋田県 山本地域振興局 | 復旧治山事業 RC1101A013 | 秋田県藤里町 | t=3cm 1370m2 |
2012年8月 | 秋田県 山本地域振興局 | ファレストコミュニティ総合整備事業RC1202A709 | 秋田県藤里町 | t=3cm 1730m2 |
2012年10月 | 秋田県 山本地域振興局 | 復旧治山事業 岩下 第RC1101A012号工事 | 秋田県藤里町 | t=3cm 4567m2 |